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Fält books
『2016〜 Michio Fukuoka』
「つくらない彫刻家」福岡道雄さんの作品は「粒」になっていく。
現代美術家は何を考え何を生み出していくのか、現代美術って何なのか、作家とは? 福岡さんが何冊ものスケッチブックに書き綴った日々のつぶやきの中に、モノを作りだしていく苦悩とヒントが隠されている気がする。そして、最後の作品といわれている「粒」が生まれてくる時のリアルな情景も読み取ることが出来る。
日本の現代美術界を席巻した福岡さんの行き着いた境地を今の若い芸術家の方に伝えたい。そんな想いを写真家の東泰秀さん福岡彩子さんと共有しながら、時にぶつかり合いながら一冊の真っ白な本にまとめました。
静かな日常の中で、生きることと作ることに常に向き合っている福岡道雄さんの姿と福岡さんの庭の中に何かを感じてもらえたら嬉しいです。
創ることに真っ正面から立ち向かっている人に是非手にとっていただきたい本です。
1960年代〜70年代日本の現代美術界を席巻した孤高の芸術家、福岡道雄。
彫刻らしいそれを創ろうと思えば思う程、
真実らしい仮面をかぶった偽物が出来る。
(〜1957年の日記より)
福岡は常に「つくること」のあるべき姿を静かに問い続けながら、連作から連作へと
新しいイメージへと移行しながら「彫刻らしさ」を否定して作品をつくり続けた。
2005年「つくらない彫刻家」となることを宣言した福岡道雄。
「つくる」と「生きる」は同義であった福岡の日常を写真家、東泰秀が2016年〜1年間撮り続けた。
2016年以降の福岡の言葉と日常の姿から福岡道雄の晩年のイメージを読み解く1冊。
写真64頁、散文64頁。500部 限定(ナンバリング入り)。
編集:東 泰秀、福岡 彩子、白石 哲也
文:福岡 道雄
写真:東 泰秀
装幀:白石 哲也
印刷:サンエムカラー 製本:新日本製本
発行:現代美術研究所ピーチハウス、Fält books
福岡 道雄
1936年、大阪府堺市に生まれる。生後まもなく中国北京に渡り、終戦後に帰国。中学2年まで滋賀県海津で過ごす。早くから彫刻家を志し1955年大阪市立美術研究所彫刻室に入所。1958年海辺の砂に石膏を流し込んだ〈SAND〉シリーズを初個展で発表し注目される。以後、反芸術的作品〈何もすることがない〉、ため息を彫刻素材として捉えた〈ピンクバルーン〉。黒い箱状のアトリエや周辺の光景、波の表情による彫刻。平面に言葉を刻み込んだ〈僕達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか〉など戦後の日本における現代美術を代表する彫刻家の一人として国内外で多数の展覧会に発表をつづけるが、2005年、想像力の回帰を自覚し「つくらない彫刻家」となる。
著書:
『何もすることがない 彫刻家は釣りにでる』(ブレーンセンター、1990)
『つくらない彫刻家』(ブレーンセンター、2012)
主な展覧会:
「現代美術の新世代展」(東京国立近代美術館)
「第16回サンパウロ・ビエンナーレ」
「ヨコハマトリエンナーレ2014」
「福岡道雄 つくらない彫刻家」(国立国際美術館)